いよいよ死亡事故による示談交渉に入るわけですが、一番の論点となるところが「過失割合」です。そして、「その過失割合にお互いが納得がいくか?」また、「決定された過失割合から算定された賠償金に、遺族が納得するか?」これで納得がいけば、賠償金を受け取り解決となりますが、納得がいかない場合には裁判という流れになります。
ここでは、どのように示談交渉が進み、解決していくのかを説明していきたいと思います。
死亡事故で請求できる賠償項目
死亡事故で請求できる項目はこちらです。
- 治療関係費、付き添い介護費、入院雑費
- 葬儀関係費
- 逸失利益
- 後遺障害慰謝料
それぞれの算定方法については死亡事故での損害賠償の項目と総額算定方法をご覧ください。
示談交渉の流れ
- 過失割合を決める
- 保険会社から示談金の提示がされる
- その示談金で納得いけば解決
- 納得いかなければ交渉が続く or 裁判
過失割合を決める
まず先に過失割合を決めなければ、各賠償額を算定することができません。過失割合というものは、警察が決めるわけでも、保険会社が決めるわけでもなく、当事者間の合意のもの決定されるものです。話し合いによって過失割合が決定すれば、次に賠償金の話となりますが、過失割合で双方が納得がいかない場合は、ここで裁判に持ち込むことも考えられます。
過失割合を決める関連ページ
保険会社から示談金の提示がされる
過失割合が決定すると、いよいよ示談金の話となります。通常は過失割合から算定された示談金額を遺族へと提示することとなりますが、遺族が保険会社に賠償金額を提示しても問題ありません。そして、双方が示談金に納得がいき、サインした時点で解決となります。ただし、「保険会社が提示してくる額では到底納得がいかない」という場合には、交渉を続けるか裁判にすることができます。
一般的に、示談交渉で提示される示談金額より、裁判をした方が、最終的に得られる利益が上がります。その理由は、賠償額を算定する際の基準が、「任意保険の基準」と「裁判の基準」で異なるからです。裁判基準で賠償金を算定した方が金額が大きくなるため、示談交渉で解決できない場合は、妥協するのではなく裁判に持ち込むという手段が有効かと思います。
示談金交渉に関連するページ
その示談金で納得いけば解決
提示された、または提示した示談金額で双方が納得がいけば(妥協すれば)、サインをして解決となります。
納得いかなければ交渉が続く or 裁判
示談金に納得がいかなければ、引き続き交渉を続ける必要があります。死亡事故の場合は、「逸失利益」と「死亡慰謝料」が含まれるため大きな金額となるため、遺族がこの金額が妥当であるのか判断できないのが普通でしょう。こういった場合は、妥当な金額が分からないために妥協点も探れません。そのため、妥当な賠償金額を確認するために裁判を起こすといったことも多々あります。もし妥当な金額が分からなければ弁護士に相談してみましょう。